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Report:『ヨーロッパ有数のスキルコーチ、イリヤ・カネンコ(Ilya Khanenko)が語る育成年代のスキル指導のポイント 』 Coaching Seminar (Part 1)

AS Hockey School では、2024年2月24日(土)14:00〜『ヨーロッパ有数のスキルコーチ、イリヤ・カネンコ(Ilya Khanenko)が語る育成年代のスキル指導のポイント 』と題してセミナーを開催いたしました。


世界最大のコーチ教育ポータルサイトであるthecoachessite.comで講師を務め、2022年には「世界トップ10のコーチ」に選出された、イリヤ・カネンコ(Ilia Khanenko)氏が講師を務めました。


セミナーの内容をPart1とPart2に分けてお伝えします。




イリヤ氏は過去にドイツ、スイス等のヨーロッパの数々のクラブにおいてスキルコーチを歴任され、スキルクリニックをヨーロッパ各地で開催しています。スイスアイスホッケー連盟のコーチライセンスを取得し、個人スキル育成とゲームパフォーマンスのコーチングにおいて専門的なスキルを有し、2016年からスイストップリーグのHC Fribourg-Gotteronでスキルコーチとして活動し、ユースプログラムの育成にも携わっています。U7からトップリーグのプロチームまでのスキルデベロップメント部門として重積を担っています。





スキルの定義

イリヤ氏は、U13-U15カテゴリーのスキルデベロップメントに焦点を当て、その重要性について解説しました。彼は、スキルが「ナビゲーション→判断→アクション」というプロセスであることを強調し、単なる見た目のハンドリング等ではなく、状況判断を伴う実行力の向上が重要であることを説明しました。




スキルコーチングとは

さらに、スキルコーチングにおいて、スキルを持たないコーチでも要素や構造を理解していることが最も重要であり、プロのようなデモンストレーションができなくてもオンアイスする全てのコーチはこれらのことを理解しスキルを伝える能力を持つ必要性があることを述べました。



スキルコーチングは、

  • 学習する環境を提供すること

  • クラブのカルチャーと自身の指導の目指す方向性が一致していること

  • 他のコーチとの協力

  • 基本の基本を教えていくこと(スキルの繰り返し)

  • ゲームライクな練習

    • 13歳〜20歳まで(特にゲームを理解し始める年代)

  • バタフライエフェクト

    • 7歳からステップごとに教えていくこと

    • 15歳までに完成される

これらのことが重要であると述べました。



クラブのコアバリューとスキルコーチング

コアバリューとは、それぞれのクラブが持っているべき信念やフィロソフィー。毎回の練習で全てのコーチでコアバリューについて話し合いを行い、練習の内容がコアバリューに基づいて組み立てられいることが重要と説明しました。ここが一貫性コーチングの根幹とも言えます。




スキルコンセプト

特徴的なことは、Hockey senseLearning by Playingを最初に設定していることです。Skatingなど

一般的なスキルと言われる要素よりも前にゲームやプレーしながらスキルを学ぶことを重要視しています。



Learning by Playing

左図:実際の練習の中でよくも見かけるコーンや障害物を置くドリル

右図:ゲームライクなスモールエリアゲーム


実際にイリヤのチームではスキルをゲームの中で学ぶこと(Learning by Playing)に多くの時間をかけます。もちろん、左図のクローズドスキルを学習する機会を提供することもありますが、年齢が低い年代はLearning by Playingのドリルを多く使っています。



Part2に続く




Hiroki Wakabayashi

同時通訳/AS Hockey School director

World Hockey Lab

Arizona Coyotes youth GK director



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